認知症で口座凍結される前に
高齢者の4人に1人が認知症になる時代、もしものときに備えて資産凍結を事前に防ぎましょう。
認知症による資産凍結を防ぐ対策としては、家族信託・任意後見の方法があります。
認知症になると発生するリスク
不動産の売却ができない
認知症になると、ご本人の不動産を売却する意思確認ができず、お持ちの不動産の売却ができなくなります。
口座の凍結
認知症になると、銀行は詐欺や不正のリスクから財産を守るため、口座を凍結することがあります。
口座が凍結されると
口座が凍結されると年金が引き出せず、生活費や介護の費用をご家族の方などが立て替えることになります。何もしなければその状態が相続まで続きます。解決方法は、法定後見制度の利用のみです。
成年後見制度のデメリット
途中でやめることができない
一度法定後見を始めるとご本人が亡くなるまで続き、途中でやめることができません。
財産の処分が自由にできない
法定後見はご本人の財産を守るための制度であり、裁判所の管理下で行われるため、柔軟な財産の管理ができなくなります。
手続きに時間がかかる
成年後見制度は、申立てから確定するまでに3〜4ヶ月程度かかり、その間は口座は凍結した状態が続きます。
認知症対策としての家族信託
口座凍結の事態を未然に防ぐために家族信託を利用する方法があります。
ご本人が元気なうちに子供や親族に財産管理を託し、その後、ご本人が認知症になった際に託された方が財産管理を行ないます。
家族信託を利用し事前に準備しておくことで、口座凍結を防止することが可能です。
任意後見
任意後見制度は、ご自身の判断で将来判断能力が不十分になったときに、ご自身を支援する人と代わりに判断してほしい業務を事前の契約によって決めておく制度です。事前に任意後見契約をすることにより口座凍結を防止することが可能です。
家族信託と任意後見の違い
家庭裁判所の関与
後見制度は必ず家庭裁判所が関与し、管理されることになります。家族信託を選択する方が財産管理の自由度が大きいです。
費用面
家族信託と任意後見制度では、初期費用が家族信託の方が高くなります(家族信託50万円〜100万円程度、任意後見10万円〜30万円程度) 。しかし、任意後見では月額報酬(家族信託0円/月、任意後見1万円〜3万円/月程度)が、ご本人の相続開始時まで続きます。
財産の承継
任意後見制度は一代で終了しますが、家族信託は子や孫のために世代を超えて財産を承継させる設計ができます。